滔々 阿知の庄 蔵の宿 〜倉敷美観地区の宿泊施設〜
解体
蔵の改修工事
使える物は残し、傷んだ部分を取り換えていきます。
まずは解体からですが、座板も貴重な地松。
一度綺麗にして再加工。
雨よけ
古い建物になると色んな跡が見えてきます。
原型から様々な変遷を経て現在の形に。
土壁、漆喰 モルタル トタン。
さまざまな価値観で仕事されておりました。
虫食い
地松の座板 今ではなかなか手に入らないようになりました。
そんな希少な既存の座板を再加工。
薄皮一枚残して内部の辺材は見事に食べられてました。
綺麗に境目が分かりますね。
瓦
長い間蔵の壁を守ってきた大事な外装材。
明治の物からその後補修し使われてきている物まで
様々な瓦が付かわれています。
接着の漆喰や、いろいろな汚れを落とし
再び蔵の壁に使われます。
加工
先日の虫食いからの板加工。
元々のサイズから小さくサイズダウンはしますが、
面影を残したまま、再び蔵へもどります。
垂木
土か厚く葺かれており、垂木も野地板も大きく痛みが見られない状態
今では非合理的で施工される事も無い土葺き
しっかり建物を保たせてくれておりました。
現代の工法でしっかり蘇らせます。
小屋組み
外部は水の侵入等で痛みが激しい部分もありましたが
内部の方は比較的良好な状態
柱の足元や土台を入れ替えたりしながら補強していきます。
継ぐ
傷みに合わせて様々な補修をしていっております。
足元だったり柱だったり。
大工が居なければこういった仕事はできません。
工芸品とはいきませんが、大工、左官、人の手が入っている仕事は美しいです。
新規の柱
新規の柱を入れていっています。
少しずつ風景が変わってきました。
梁を足す
蔵から宿泊施設へ。
当然間取りも変わります。
在庫で保有していた古梁を再加工し取り付けます。
新旧のメリハリが出てきます。
古梁の取り付け
在庫していた古梁を取り付けました。
既存の床板
既存の床板を天井材で再利用です。
階段
欅の階段。
蹴込み、段板共に欅
乾燥しているとは言え大きく動く材料です。
慎重な仕事をしています。
1Rと5R
欅の階段の蹴込み板です。
蹴込み板の1Rと5Rの面は一つ一つ大工の手仕事です。
蟻を切る
よく乾燥した真っすぐな板ですが。
少し削るだけでも激しく動く事があります。
その代表格の欅
半分に割ろうものならどんな変化が起こるか想像できません。
なので大工さんが「蟻」と呼ばれる仕口を加工します。
文字取り蟻の頭の様な三角形の加工の事を指します。
材料を継いだり桟木を入れたりと幅広く使われる仕口です。
どのような仕事をすれば効果的か、大工さんの知識が必要な仕事です。
非常に考えられた仕事をしています。
丸太
古い建物は丸みを帯びた材料がよく使われています。
それだけ職人の技術力があったのと、製材に手間がかかったからでしょう。
今みたいになんでも四角にすれば仕事は簡単です。
材料の癖を見て使う
出来そうで出来ない 難しい仕事です。
蔵の登り梁
只今、工事進行中の美観地区での蔵宿泊施設。
絶賛工事中です。
2階の梁にかかる丸太をパシリ! この立派な梁へ斜めにかかる梁が登り梁といいます。
このような蔵は柱が立つと使いにくいため、よくこの登り梁の構造が採用されています。
ん?奥では何やら集まり、蔵の窓付近の難しい収まりを検討しているようです。
虹梁
北側の庇に桧の虹梁を使いました。
全長9メートルくらいある吹寄せの庇になりました。
2階の座敷
2階の座敷がやっと形になってきました。
当初2階は真っ暗で登り梁も劣化が激しい部分もあったのでやっとここまで来ました。
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下屋根の瓦
下屋根の瓦を葺き初めました。
梅雨に入り瓦工事も大変ですが雨の合間の晴れ日で葺き終わらせる予定です。
色合わせ
1階のリビング、ベッドルーム、廊下のフローリングは地松の5メートル物を大工に加工してもらいました。貼り方向は違いますけど色合わせ中です。
ラスボード貼り
2階の座敷にラスボードを貼っています。
2階は造作物は終わったのでラスボードを貼り終わったら大工工事は終了です。
庇
若手の大工さんが原寸図を書いて庇の製作に取り掛かっています。
この庇は既存の持ち送りを使用します。
漆喰の格子
格子が完成しました。
角がきちんと出ています。
角は左官さんがこだわるポイントです。
腰瓦
左官さんが腰瓦を貼り初めました。
水糸を張って通りを出しています。
どの時代でも水糸は便利です。
蔵と石積み
美観地区の蔵の宿工事では、外構工事で石積みが完了。蔵の海鼠壁と石。昔の家は、土と木と石で作られていました。
あとは、植栽をすると良い感じです。
外構工事 我が社のレジェンド
只今、外構工事中。
なんばのレジェンド田原大工がアプローチの板貼りをしてくれています。完成が楽しみです!
社内検査
本日、社内検査でした。
様々な箇所をチェックしたり、
「ここはこうなってるのか~」なんてことを直接、目で確認します!
蔵を活かした吹抜け
いよいよ、蔵の宿工事も完成が近づいてきました。既存の土壁を活かし吹抜け空間をつくるとこのような雰囲気に仕上がります。
伝統とモダン。
日本の住文化の象徴である古民家が活用され後世に残ると嬉しいですね!
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お引渡し前
家具も入り、いよいよ完成です。
蔵の落ち着いた空間とガスの暖炉そして、古材の組み合わせは最高です。
美観地区 蔵の宿のお引渡しを致しました。
築100年を超える蔵を改修し宿泊施設に。
オーナー様、設計事務所との共同作業で完成しました!
多くの方がこの蔵を訪れ、古民家の良さを感じてい頂ければ幸いです。