築100年三世代に渡る再生 庭園を取り込む和モダンリビング
仮着工からの本着工
築100年になる古民家です。
これから若い世帯と同居されるべく改築していきます。
現在の風情を残しつつも少しモダンで快適なお住まいになるように変貌していきます。
お日柄のよい先日、仮着工の儀式を執り行いました。
仮着工とは、
解体前に家の四方をお清めした後、
建物の一部を壊して解体初めをする事です。
そして本日、いよいよ本着工となりました。
まずは既存の建具やタタミを撤去しガラ~ンとした空間になりました。
これから、こちらの現場の進捗をコーディネーター田中が随時お知らせしていきますね(^^♪
壊してみると
築100年
実際はそれ以上経っている建物です。
それまでに色々と手が加えられ、使い勝手も住まい方も変わってきたのでしょう
様々な箇所に手のくわえられた跡があります。
朧げに最初の建物の形は見えてくるのですが、幾度も形が変わっているのでハッキリとはわかりません。
壊してみなければ解らない部分が多いですが、何はともあれ
しっかりと直していきます。
大黒柱
現場へ大工さんが入り始めました。
まず直さなければならない要素
柱の高さや倒れを正していかねばなりません。
直る範囲のであったり、そうでなかったり、極力あるべき場所にもどしていきます。
築92年の重みに耐えた大黒柱です。
少し細く、荷重の集中する場所にあった柱なので重みで足元が潰れています。
適材適所、キチッと施工すれば防腐処理等しなくともこれだけ保てると言う事です。
流石に痛みが激しいのでカットしました。
床がまっすぐに
コーディネーター田中です。
大工さんが入って、先ずは構造補強をしています。
1階に柱を新たに立てました。
すると、2階の廊下が真っ直ぐに。
以前は歩くと気持ち悪いくらいに傾いて、たわんでいました。
頑丈になりましたね。
揺れる
現在の建物と違い
昔の建物は揺れます。
ここの家も今の耐震基準から言えば話にならないくらい弱いです。
ですが、震度7クラスまでとは言いませんが、
そこそこの地震でも乗り切ってきました。
そんな建物ですが、傷みや傾きを直しながら
進めてまいります。
列柱
工事前の状態です。
列柱 現在
構造的に保てていたとは言え、これからの事を考えると流石に心配です。
柱を増やし、構造的にも繋いでゆきます。
2階を歩くと家全体が揺れていたのですが、それも当然止まりました。
抜きました
今の様に高圧洗浄機で綺麗に木の皮を剥げる訳も無く
薄皮が残った状態で木組みを作っています。
昔の職人さんの技術が窺えますが、下を支える柱が少なく、華奢
補強しつつ昔の構造材はのこしていきます。
そして現場に早々と、玄関の框が入りました。
庭園解体中
コーディネーター田中です。
この度の改修で玄関を新しく設けるので、アプローチも変更します。
大きな石の灯篭を撤去したり植木も動かさないといけません。
そのため、重機を入れて作業しています。
コンセプトでもある立派な庭のグリーンも映える季節になりましたね。
だんだん日差しも強く、気温も高くなってきたので気をつけて作業を進めないと。。。
剥がす前
改修に改修を重ね
屋根に屋根を重ねてパイ生地みたいになっていました
野地板の上に下地して、トタンの波板
その上にまた下地をしてガラス繊維の波板
雨漏りなする度に重ねてきたのでしょう。
そのおかげか野地板、垂木の痛みが殆どなく綺麗な状態でした。
剥がしたあと
この上に新たに下地をし直し、ルーフィング、板金と
先々も大丈夫な施工をしていきます
重ねて施工する方が楽ですが。
下地から綺麗にする方が施工精度は上がります。
床貼り真っ最中。
コーディネーター田中です。
現場に行くと、ちょうど床貼りの真っ最中。
ダーク色の床で重厚感が出ていました。
壁や天井もだんだん形になっています。
窓
この家は外観はほぼ変えず、内部をガラッと変える仕様なのですが
外部窓の多くが木建具だったのでそこは全て変更。
新しくなった窓から1Fからも2Fからも中庭が見えます。
緑の綺麗な季節ですね。
Before
After
サッシが変わり、庇を掛け替え、大きく雰囲気が変わりました。
外観は大きく変わっていませんが、現代的なスッキリとした納まりへ。
玄関はヨシズ天井。
コーディネーター田中です。
玄関の天井が貼れていました。
リビングは洋風なのですが、日本庭園のアプローチから入る
玄関は和風に仕上ていきます。
天井はヨシズ天井で、色調も古民家風で選びました。
壁もしっくいで仕上げ和空間に。
昔の仕事
古い仕事を見ながら、こうした方が良いのでは?
と大工さんが教えてくれます。
仕口自体は見た事もあり、どのように組んで、どのように解体するかは知っていたのですが。
現場の棟梁が熟練の大工さんなので、昔はこうしていた、でもこうした方がもっと良いと教えてくれました。
固まった考えで無く、より良い仕事を目指す姿勢は素晴らしいです。
見習わねばなりません。
快段
既存の階段を架け替えました。
以前に比べて傾斜も幾分緩やかになり、
1段の奥行も広がったので上りやすくなりました。
先日、お施主様にも上がっていただき、
「上がりやすい」と喜ばれていました。
文字通り「快段」になった様で良かったです(^^)
コディネーター田中でした。
進入
家に通じる新しい侵入路。
庭を一部解体し、新たに設けました。
大きく内部と外部のつながりが出来たような気がします。
新旧融合
コーディネーター田中です。
建物の方は外壁に漆喰が塗られ真新しくなりました。
庭では外構工事の真っ最中。
以前とは進入位置が変わり庭の眺めも違います。
アプローチ
新しい玄関へ向かうアプローチ。
ピンコロ石を並べ、内部は洗い出しに。
適度なカーブを付け庭を跨ぐように作られました。
大人だけが歩くのであれば飛び石で良いのですが、ベビーカーが通る事もあり緩やかなアプローチへ。
出来上がりへ
この現場もようやく最後の形が見えてきました。
細かい部分も作り終え、クロス工事に入っています。
まだ平行して大工さんの工事も進んでいますが、今月中にはほぼ形になりそうです。
新旧
現場もいよいよ終盤。
新しい部分と、古い部分が相まって陰影が鋭く見えます。
必要な部分を足し、使える部分が残る。
継ぎ足しながら続きます。
コーディネーター田中です。
建具が付きました。
以前の名残のある古ガラスを再利用して新しい建具に取り込んでいます。
子どもたちが大きくなって、「昔は障子に使っていたガラスなんだよ。」と、
語り継いでいって欲しいです。
家の歴史を振り返る話題作りに一役買えればいいな~。