N様邸 大工さんの自宅
まさかの!
実はこの現場、伐採からしております。
遡る事約1年。
美作の山奥から材料を切り出す所からのスタート。
大工さんの身内が山を持っているとの事で、
木が水を吸い上げていない冬に伐採に行っています。
夏場に切ると水を多く吸い上げているので、
カビたり、腐ったり、虫が付きやすかったりなのです。
新月伐採と言われる月の出ていない時期が伐採に最も適しているとも聞いた事があります。
たかが伐採されど伐採。
林業も非常に奥深い職業です。
全ての材料をこの山で賄う事はできませんが、
小屋組み、柱はここから持ち帰り乾燥、製材を行います。
一体どのような家になるのか、棟上げを来週に控えているのですが、まだ全貌は見えません。
皮むき
お気づきの方もおられるかもしれませんが、写真が荒いです。
何故かと言うとインスタントカメラの写真をスキャナーで取込んでいる為
今のデジタルカメラのクオリティの高さを感じます。
それはさておき。
大工さんも初体験、まさかの続きで皮むきです。
いったいどのようにして剥くのか?
工場だと専用の機械があるのですが、そこも自前
木肌を生かした物にしたいらしく刃物では無く、高圧洗浄機で剥いてゆきます。
まだ切ったばかりなので、皮が剥がれやすく隙間に水が入り込んでスルスルと剥けてゆきます。
合計50本以上。
かなりの重労働です。
製材所
当然、事務所の機械でもしようと思えばできますが、
効率がまるで違います。
長い物から大きい物まで
なんでもかんでも四角に!
昔は丸いまま使ってました。
四角に加工するより丸いままの方が手間がかからないから
その分技術は当然必要です。
今は器械が綺麗に四角にしてくれるので
仕事の楽な角材が主流です。
最高に合理的ですが。
技術は失われてしまいます。
ですが今回は丸太が盛りだくさん!
お楽しみに。
お清め
「御」をつけるとそれらしい単語になるのが怖い。
そんな「御浄め」
地鎮祭と同じ要領で北東の方角から清めてまいります。
酒、塩、米
これを4方に撒き清めてゆきます。
大工さん自らに行った材料
以前も書いたように全てではありませんが、大工さん自らきりに行った材料。
県北の美作まで数回に分け運んでいます。
主要部の構造材も地松を利用
正に地産地消。しかも手刻み。
乾燥にどうしても時間がかかるので、すぐに加工できるわけではありません。
丸太
小屋組みは全て丸太
これも美作の桧
束も母屋も丸太だらけです。
四角の材では無く、丸太と丸太を合わせてゆくので
気が遠くなるような時間がかかります。
棟上げ
そして棟上げ。
大工さんみんなで入れました。
ベテラン大工の息子さん初の手刻みで
どうなる事かと皆心配していましたが。
無事棟まで入れる事ができました。
オモチマキ
そして最後に餅まきです。
何故餅をまくのか?
家を建てるという事は大きな厄災を招くと言われます。
餅や小銭を投げそれを皆にもって帰ってもらう
そんな風習の様です。
見せ方
丸太の小屋組みに2寸角の桧の垂木。
私個人としてはこの見せ方で充分綺麗だとおもうのですが、
垂木の下にボードを貼ってほとんど隠してしまいます。
古い家の小屋組みも同じく、昔は当然の事でかくしていましたが、
今はそれを見せる作りが多いような気がします。
その時々、施主さんの好みで色々と変わってきますね。
大工の家ですが
なんば建築の大工の家なのですが。
洋風
奥様の要望らしいです。
軒がほぼ無くフラットな仕上がりのっぺりとした外観です。
一体どのようになるのか。
功ご期待!
大工さんらしく
私も監督として「大工さんの家」を何件も見ていますが、
大体どこの家も不思議な個性があります。
ここもそんな部分。
当初の予定と全く違う納まりに。
天窓からの明かりが中心におりてくるようです。
足場がとれました
本日、現場に行くと足場が取れ全景があらわになっていました。
足場の無い外観をお施主様も始めてご覧になりさらに完成への実感が沸いてきた様子でした。
なんとも
スッキリサッパリとした外観。
内部もヨーロピアンな白
大工さんの好みですがいつもとは違うガラリと洋風な建物になってしまいました。
仕事内容としてはいつもよりかなり簡単です、悩む部分もありません。
そう考えると木部の見える仕事は難しいです。
タイル
タイル工事の少な目な、我が社
この家はかなり多めのようです。
キッチンカウンターもその後ろも、玄関もタイルづくし。
タイルは大きさが決まっており、最初から決まっていれば割り付けができるのですが、
決定していないとそれなりになってしまいます。
タイルの決定はお早めに。
謎の四角の正体。
工事も佳境ということで現場の確認に行ってまいりました。
トイレの便器や洗面台も取り付けてありました。うん、問題はなさそう(^^)
さてさて、
トイレの壁に謎の四角い枠があります。
いったい何だと思います?
謎の四角の正体 正解!
答えは、、、
パカッ!
なんと、中は収納スペースでした。
この現場は大工さんの家ということもあり、
大工さんなりに出来る限りの工夫をして
デッドスペースも最大限に有効利用。
結構手間はかかるのでしょうががんばりましたね。
階段下のちょっとしたスペースも収納に。。。
ほんの少しですがこういうスペースって貴重ですよね。
コーディネーター 田中でした。