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実例紹介

施工事例

土間でつながる 瀬戸の和風平屋

深い軒(のき)と広い土間のある「和の家」の特徴を生かした、平屋の家。

和の雰囲気を醸し出しつつ、アンティーク照明やステンドグラスといった要素を散りばめた、まさに和洋折衷の和モダン住宅に仕上がった。

【外観】
山間に溶け込むよう、落ち着いた配色の外観。
軒の高さを極力低くし、より落ち着いた印象となるよう高さ設定をしている。
平面的な印象にならないよう、屋根の頭頂部には「越屋根(こしやね)」を設け、変化をつけた。

【外観】
昔ながらの伝統的な日本の住まいは、気候風土に合わせるため、軒は深ければ深いほど外観も見栄えが良くなり、耐久性も上がる。
しかし、それではどうしても室内に届く光の量は少なくなってしまう。「明るいリビング」という、現代の要望に応えるため、リビングに面する掃出し窓の軒先は一部をガラス張にしている。
室内には明るい日差しがたっぷりと注ぎ、外観も重すぎず、軽快な印象になっている。

【外観・丸窓】
外観のアクセントになっている丸窓。通常アルミサッシで施工することが多いが、こちらは漆喰で枠ごと造作している。
サッシに比べて手間はとんでもなくかかるが、造作でしか出来ない印象的な仕上がりとなった。
丸窓の中に見えている柱も、骨組みである構造の柱を意匠美として取り込んだ。

【玄関・玄関ホール】
明るい印象の玄関になるよう、外壁は漆喰塗りに。
足元は雨風から漆喰壁を守るため、また、アクセントとなるよう、桧の板張りに。
桧の板は「鎧貼り(よろいばり)」。端を少し重ねてはり進める工法で、大変手間はかかるが、上品さもありながら和の印象がぐっと強まる。
土間に埋め込んだのは、この地域ならではの備前焼のタイル。単調になりがちな広い土間も、印象的な仕上がりに。

玄関ホールは、素朴な土壁塗りの壁で落ち着いた印象に。
竹で天井から吊った無垢板の一文字棚は、シンプルな美しさが活きるように仕上げた。
天井は竹を編んだ網代天井。単調な印象にならないよう、無垢板を中間に配し、変化をつけている。

備前焼のタイル、網代、照明器具、格子。それぞれの四角を共通のデザインとして統一するよう、意識して選定した。

建具の内法に、一本だけさりげなく施された手仕事のあと。
強烈な個性はないが、素朴な空間に、木の美しさと手仕事の温かみが宿る。

【LDK・土間】
リビングの一部を、一段下がったインナーバルコニーの土間に。
夏は開放して夕涼み、冬はストーブを置いて日光浴。
中のような、外のような、そんなあいまいな空間が四季折々の変化と暮らしの楽しみを教えてくれる。

軒先のガラス屋根のお陰で、明るい空間に。季節で変わる太陽高度を計算し、夏は直射日光が室内に入らないよう、ガラスの寸法を計算している。

【LDK】
昔の民家によくみられる田の字型間取りを、LDK・畳コーナーに振り分けて現代的に配置した内部空間。
中心にどんと構える大黒柱は、梁や丸太を支え、また構造美としてもしっかりと存在を光らせている。
平屋ならではの勾配天井は、空間の広がりを感じ、無垢の木の温かさに包まれる心地の良い空間を作っている。

【ダイニング】
大屋根空間を支える、美しい格子小屋組み。積雪の多い地域に良く見られ、冬場の大きな屋根の荷重を支えるために用いられる工法。
キッチンの対面壁の造作棚には、備前焼の小物が引き立つよう、淡いブルーのタイルを配した。
昼間と夜では、全く異なる表情を見せてくれるのが木の家。夜には雰囲気が増すよう、小屋組みを照らす間接照明を設えた。

【畳コーナー】
空間の広がりを生かすため、畳コーナーと納戸の上部は壁で塞がず、ロフトとして吹抜けに。
このような広い空間でも、当社は屋根の外断熱、壁の通気工法などを採用しているため、寒い冬場もエアコン一台で快適に過ごせる。

床の間の背面は、装飾品が引き立つよう真っ白な漆喰塗りに。
天井の上をロフト空間としたため、天井高は2.2mとやや低め。そのため、照明器具は造作カバーの埋め込み式を採用した。
奥行きが感じられるよう、天井はあえて暗めに、床の間手前は一部を吹抜けにして、間接照明を施工した。
突き当りの漆喰壁の床の間が一段と明るく感じられ、コンパクトな空間でも息苦しく感じない。

【造作の建具】
様々な銘木を当社の倉庫で在庫として保管している。カリンの無垢板で作った木製建具も、そのひとつ。
カリンの木肌が際立つよう、表面はオイル仕上げに。四方の枠もあえて白木を用い、色の対比で面材の板が引き立つようデザインした。

【ロフト】
畳コーナーの上、ロフトから見た小屋組み。高さは低いが、物置としては十分な広さ。
座って使うこともでき、書斎など、隠れ家空間としても利用できる。

【レストルーム】
素朴な質感を生かしたレストルーム。
パーテーションに使用したトチの木は、あえて自然のままの形を生かして施工した。表面も素朴な形に合わせて、荒く鋸目を入れている。

手洗いカウンター、建具はカリンの無垢板。深い褐色が引き立つよう、水はね防止のタイルは布目模様の和柄のものを選定。欄間に入れたステンドグラスの緑と色を統一している。

【 土間でつながる 瀬戸の和風平屋】

設計/施工
なんば建築工房

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