読み込み中...
実例紹介

施工事例

夕照の家

時を重ねるごとに子育て世代から老後へとライフスタイルが変化するように、フレキシブルに間取りが変化し、状況に即した暮らしができる家を考えた。

敷地が台形のような変形地で、すぐ北側には実家が建っている。
有効利用が難しい、鋭角な敷地を奥行きのある庭として活かしつつ、実家の主室が影にならないように考慮した配置とした。

【配置計画】
母屋から約30°振った真北を建築の軸とし、母屋の主室の前に空地を設けることで実家に良好な日当たりを実現した。
(写真は12月の11時頃)
また、自動車が実家の玄関前まで横付けできるように計画しており、将来、介助が必要になった場合にも対応できる。
真北を軸として計画することで、冬の日射取得、夏の日射遮蔽にも効果が期待できる。

参照:ご実家のリフォーム事例「慣れ親しんだ家へ移る改築工事

【生活を豊かにする小さな庭】
玄関ポーチ横の小庭は来訪者を迎え入れるだけでなく、実は室内の一部でもある。

【空間の繋がり】
二重にフレーミングされた小庭は絵画のように室内を豊かにするだけでなく、四季の移り変わりを感じさせ、生活に潤いを与える。

【玄関】
広々とした玄関からは畳室へ直接アクセスできるため、来客の対応にも容易である。
玄関の奥はクローク-WICへと繋がり、LDKへと回遊する、家族用の動線が設けられている。

暖簾はオーダーメイドで、夕照の家の外観をプロットした。

【畳室】
玄関側の障子を開け放しておけば、広々使うことができる。
玄関-玄関ポーチ、さらにその奥の小庭までもが畳室の一部になる。

【借景】
玄関からLDKに入ると、塀で囲われた庭の奥とハイサイドライトから緑が目に入る。
隣地の木々を景色の一部としてお借りしている。

【吉村障子】
畳室の障子を閉めれば、人が往来する建具から、安心感のある壁へと姿を変える。
建築家 吉村順三氏が考案した吉村障子は、閉めた状態で一枚のパネルに見えるのが特徴。

【フレキシブルな空間構成①】
障子を全て開けると、リビングは畳室・玄関・玄関ポーチ・小庭へと繋がり、開放感のある空間が生まれる。

【フレキシブルな空間構成②】
障子の一部を閉めると、リビングは畳室との繋がりを保ちつつ、玄関とは遮断し、落ち着きが生まれる。
プレイルームや、友人を招いてのパーティーなど、多目的な用途に使用することができる。

障子を完全に閉めると、畳室を経由することなくリビングへとアクセスが可能で、畳室が個室になる。
ゲストルームや、寝室として使用することができる。

【リビング】
テレビが取り付けられている壁の奥が階段となっている。
上部を吹抜けとすることで、広がりを感じられるだけでなく、重力換気を促す設計としている。

【ダイニング】
キッチンの真横にダイニングを配置することで、動線が最短となりサーブしやすい計画とした。

【開口計画】
ダイニングテーブルの高さに合わせた開口部。食事中に庭を眺めることができる。

開口部は景色を眺めたり、風を通したり、光を入れたりと様々な目的があるが、不必要に多い開口部は熱橋となり、断熱性能に悪影響が出てくる。
必要なところに必要なだけ、かつ、最適な高さ、方位に計画することで窓そのものの価値が高くなる。

【動線計画】
キッチンの奥はパントリー、廊下へと繋がっており、その先には水廻りやWIC・クローク、そして玄関へと続く。
短い家事動線は家事の負担を減らす。

換気の為に設けたWICの窓が廊下をやさしく照らす。

【収納計画】
キッチンの背面には巨大な収納を造りつけた。
たくさんの食器や食品のストックだけでなく、子どもの勉強道具なども収納できる。

【中間領域】
屋根がしっかりかかったテラスは、外部でありながら室内のように使える。
空間を広く見せるだけでなく、内部と外部を繋ぐ装置でもある。

【外構計画】
プライベートな庭にするために、高さ約2mの板塀を設け、プライバシーを確保している。
また、庭の地盤を50cmほど上げることで、テラスとの段差を解消し、庭が身近に感じられるようにするだけでなく、室内からは塀の高さが約1.5mとなり開放感は阻害されない計画とした。

鋭角な部分の敷地は植栽のスペースとすることで、奥行き感のある、広がりが感じられる庭へと有効活用した。
豊かな庭に欠かせない景石や植栽の多くは、もともとご両親が大切に管理されていたものを再利用している。

【洗面】
タオル、肌着、歯ブラシなどの位置を想定し計画することで、整理整頓された洗面となる。

「夕照の家」

【 夕照の家】

設計/施工
なんば建築工房

類似事例