岡山ビューティ様 倉敷美観地区
- 古民家再生
- 商業建築
岡山ビューティ様の店舗を施工させていただきました。
美観地区内という事もあり、様々な制限をクリアしながらの改修になりました。
広い中庭を3棟がコの字型に囲んでいます。
建物の構造美と庭の緑が一体化した、贅沢な空間です。
【庭】
解体で発生した延べ石や庭石は外構に再利用。
中央の洗い出しのステージは、ガーデンテーブルやチェアを広げられるよう、広く確保している。
植栽の一番大きな木は 元々あったものをそのまま活かしている。
緑があることで建物を引き立てる。憩いの場として空間を楽しむためには必要不可欠なもの。
【メイン棟】
美観地区の通りに面したメイン棟。
民家も兼ねた2階建ての建物を、間仕切りや天井など全てを取り払って一体の空間とした。
1尺 (約30cm) 以上はある、立派な松の梁と大黒柱は迫力がある。
昔ながらの田の字型間取りで、構造美を堪能できる、古民家ならではの味わい深い空間。
【梁】
小屋裏に掛かる、立派な松丸太の登り梁。樹齢100年を優に超える木材。
今でこそ100年住宅、と言われているが、古民家は100年、200年の実績、耐久性があるのが当たり前。
立派な木材と確かな木組みの伝統工法があってこそ。貴重な建物は、しっかりと現代に受け継いでいかなければならない。
レジカウンター、テーブル等の什器も、カリン、クリなど当社の在庫材を使って制作。
建物の雰囲気に合わせた材料を選び、無垢の質感を活かしている。
【構造現し】
全て現しの構造材。
電気配線の計画に気を遣うが、器具の存在感を極力消せるよう、構造材の側面にダクトレールを沿わせ、照明器具も梁成内に収まる小さな器具を選定した。
2階の床を取り払うことで、大空間となったメイン棟。空調の効率を上げるため、シーリングファンは必須。
【蔵棟・ギャラリー】
蔵を改装したギャラリー空間。
土壁ぬりの素朴な雰囲気が落ち着いた印象。延べ石基礎の上に土台を回して、柱を施工した。
既存の柱は腐食が激しい部分も多く、悪い部分は切り取って、新しい木材に入れ替えている。
これらも豊富な経験があるからこそ。手間のかかる手仕事も、きっちりと効率よく納める。
【遊び心】
大工さんの遊び心で施工した、隠れ石臼。
解体時に庭の片隅に転がっていた石臼を、「どこかで使おう」とこっそり取り置いていたそう。
もちろん、石は簡単に加工できるものではなく、建具との取り合いを考慮し、円形の物に木材を沿わせるのはとても手間のかかる作業。
しかし完成すればこの仕上がり。とても雰囲気のある、この現場のお気に入りポイント。
【小屋裏】
蔵の中二階。
補強のため、既存の柱の間に貫(ぬき)を新設した。(横に2本渡している木材)
土壁中塗りの素朴な仕上げと、昔ながらの低い天井の空間が隠れ部屋のような、落ち着いた雰囲気。
薄暗くなりがちな小屋裏も、妻側に設けたFIX窓によってしっかりと採光も確保している。
【 岡山ビューティ様 倉敷美観地区】
- 設計/施工
- なんば建築工房