なんば建築工房
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(一社) 全国空き家アドバイザー協議会 全国大会へ

なんば建築工房の正田です。

全国の空き家は急増の一途をたどっています。
今年4月に発表された総務省の令和5年度住宅・土地統計調査では、空き家の数は2018年の849万戸から2023年は900万戸へと増加し、過去最多になりました。

全国の空き家率は13.8%と、7軒に1軒が空き家の時代です。
岡山県の空き家率は16.4%と、全国平均を大きく上回り、大きな社会問題となっています。

特に都市部への人口流出に伴う、農村漁村地区や地方の人口減少は著しく、待ったなしの状況です。行政も対応を急いでいますが、特定空き家(※)のような、解決が難しい案件の対応に追われ、空き家予備軍に対する活動まで手が回らない状況です。

そんな中、6月13日~14日に東京で開催された、(一社)全国空き家アドバイザー協議会の全国大会に参加しました。

(一社)全国古民家再生協会の傘下の組織である(一社)全国空き家アドバイザー協議会は、空き家に関わる裾野の広い活動をしており、まさに社会課題である空き家課題の解決へ向け、注力しています。

今回は参議院会館にて、国会議員さんや各省庁との意見交換・勉強会を行いました。

現在行政は、手間のかかる多くの特定空き家や、新しく制定された管理不全空き家への対応に追われています。恐らくこのままではパンクするでしょう。
これからの空き家課題の解決は、特定空き家への対策のような対処療法ではなく、空き家にならないための活動が不可欠です。

その一助を民間が担い、行政と地域が共に活動していくことが大切だと考えています。

また、私たちが取り組む古民家再生の技術は、空き家の利活用や事前調査などに役立つと考えています。ここで学んだことを、岡山に持ち帰り、活用していくことが、私たちの使命です。


特定空き家とは
2015年5月26日に施行された「空家等対策特別措置法」では、『特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう』とされています。