なんば建築工房
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賢い古民家の選び方② 古民家の3つの特徴とは?

株式会社なんば建築工房代表の正田です。
シリーズでお届けする、「賢い古民家の選び方」第二弾です。
今回は、古民家の特徴についてお話しをさせていただきます。

古民家の特徴とは?

古民家の調査や相談にお伺いすると、
口を揃えて言われることが3つあります。

それは、
1. 暗い
2. 寒い
3. 使いにくい
というお声。
何だか想像がつきますよね。

燦燦と光が降り注ぐ古民家を見たことがあるでしょうか?
断熱バッチリ!暖かいな~という古民家を見たことがあるでしょうか?
動線バッチリ!寝室からもトイレが近くて、家族のリビングからお風呂が近い!

…そんな古民家、見たことがありません。
それはどうしてでしょうか。

古民家が暗い理由

まず今日は、1つ目の燦燦と光が降り注ぐ古民家がない理由についてお話しします。

明るい古民家や、明るいリビングがあっても良いですよね。
しかし、雨が多くて高温多湿な日本では、屋根の深い(のき)がとても重要な役割となっていました。
この深い軒のおかげで、雨が直接建物に当たらず、基礎や構造が長持ちする、というわけです。

しかし、明るい家が好まれる現代では、軒のない家や、大きな開口部を持った家も主流となってきました。
軒の深い、いわゆる日本的な家は、重厚感があり、どっしりとした家の構えが非常に魅力的です。
こうした、デザイン面と住み心地の両方を兼ね備えた、軒先の一部をガラスとした施工を手がけた事例もあります。

軒先の一部をガラス張りにすることで、深い軒と明るいリビングを両立している

特に、古民家のキッチンは暗くて寒いと奥様方からはかなり不評です。
古民家のキッチンは暗くて、寒い。実はそれには理由があります。
電気がなく、冷蔵庫もなかった時代、食品を扱うキッチンでは食中毒のリスクがあるからでした。

そうですよね。
魚を捌いて、燦燦と光が降り注ぐ、、、、即、体調を崩してしまいます。笑
この奥様方から不評のキッチンも、当時は意味があったのです。

しかし、現代の電気のある衛生的な生活の中では、暗い・寒いは少し抵抗がありますよね。
そこで、現代の古民家再生でよく見られるのが、暖かい客間付近にリビングやキッチンを持ってくる、動線を変えるリフォームです。

こちらは、費用は掛かりますが、古民家を再生された方にとっては、満足度が高い工事になります。
もし古民家を選ばれる際は、この動線変更を意識して工事や物件選びをされると良いかと思います。

古民家の動線を現代の暮らしの動線へ。
こうして古民家が現代の生活に溶け込んでいきます。

次回は、2つ目の「寒い」についてお話をしていきます。