賢い古民家の選び方④ 古民家はなぜ使いにくい?
株式会社なんば建築工房代表の正田です。
シリーズでお届けする、「賢い古民家の選び方」第四弾です。
今回は、古民家の特徴の最後、「使いにくい」についてお話しをさせていただきます。
古民家はなぜ使いにくい?
どうして古民家は使いにくい!と言われるのでしょうか。
それは、古民家での暮らし方が関係しています。
実は、古民家の多くは農家古民家と呼ばれる、農家さんが住んでいたお家です。
農家古民家は、玄関土間を作業場としても使うために広く、そのまま台所まで土間でつながる動線になっています。
昔は台所に、火を使うかまどがあり、農作業の合間に草鞋(わらじ)を脱ぐのも大変なので、台所まで土間続きだったわけですね。
そして、南側の日当たりや景色の良い部屋は、お客様のための客間として使われており、家族は北側の寒くて暗い部屋で過ごすのが通常でした。
しかも、トイレやお風呂が遠く、寒い、、、。
昔と今の家の生活スタイルの大きな違いは
昔:お客様をおもてなしする客間が重宝された
今:家族の過ごすリビングが重視される
という点です。
この家づくりの考え方の違いが、現代の「使いにくい」を生み出しているのです。
最近の古民家再生では、客間をリビングへ、、、、
このような、生活スタイルを変える再生工事も行われます。
古民家再生では、現代の暮らしに合った使い勝手と、古民家ならではの良さを調和させることが大切です。
皆さんも、古民家で暖かく、明るく、動線の良い再生工事を目指してくださいね。
次回からは、古民家の構造について、現代の住宅と比較してお伝えします。