“美しいだけじゃない” 古民家に必要な耐震の知識とは? 林原美術館で耐震勉強会開催。

本日は、岡山の登録有形文化財「林原美術館・東蔵」にて、古民家再生協会主催の耐震勉強会を開催いたしました。私が支部長を務める古民家再生協会岡山第一支部の勉強会として、講師として伝統再築士会の支部長・鶴谷さんをお迎えしました。私自身も古民家再生に携わるメンバーで、実際の建物を前にしながらの実地勉強会となりました。
古民家の耐震、と一言で言っても実は非常に奥が深い世界です。現代の在来工法と違い、伝統構法で建てられた古民家は「柔構造」と呼ばれ、揺れを“いなす”ことで耐えるという特性を持っています。だからこそ、耐力壁だけでなく、制震ダンパーとの組み合わせなど、現代技術とのハイブリッド設計が必要なのです。
特に、耐震改修を計画する際には「中間耐震診断」が欠かせません。構造のクセを見極め、補強計画を立てる。この地道な工程こそが、安心して住み続けられる古民家再生の要になります。
また、最近では古民家でもリフォーム瑕疵保険やフラット35の活用が可能になるケースが増えており、今後の空き家再生や移住促進にも大きな可能性を感じています。
勉強会の後は、参加者同士の交流会も開催。皆さん古民家にかける想いが熱く、議論も尽きませんでした。「古民家は古くても、想いは未来へつながるもの」。そんな言葉がぴったりの一日でした。
ちなみに今回の会場である林原美術館 東蔵は、国の登録有形文化財であり、私たち(一社)全国古民家再生協会 岡山第一支部で耐震改修工事に関わらせていただいた実績ある建物です。文化財としての価値を守りつつ、安全性を高める工事は、古民家再生に携わる者として誇りある仕事でした。
▼林原美術館 公式サイト
https://www.hayashibara-museumofart.jp/
これからも、株式会社なんば建築工房は、地域とともに伝統を未来へつなぐ建築を続けてまいります。