床下から始まる家づくりの知恵 ~シロアリ被害を防ぐには~

先日、なんば建築工房のショールームに少し変わった材木が仲間入りしました。
それは、なんとシロアリに食べられた柱。目にするとゾッとする方もいるかもしれませんが、実はこの「被害の痕跡」こそ、私たちが住まいを守る上で大切な学びを与えてくれるのです。


岡山県南部、特に私たちが拠点を置く倉敷市児島は、シロアリが発生しやすい地域。温暖な気候と湿気が原因となり、知らぬ間に床下から家の大切な構造材が蝕まれていくこともあります。
特に、人工乾燥材や集成材は、加工の過程で木の脂分や香り成分が抜けてしまい、本来の木の防虫性が弱まってしまいます。一方で、古民家に多く見られる自然乾燥されたヒノキやクリのような広葉樹、年輪の詰んだ良質な無垢材は、シロアリにも強い特性を持っています。
では、どうすればシロアリの被害を防げるのでしょうか?
実は「床下の湿気対策」が何よりも重要です。
特に以下のような行動はNGです。
- 家の基礎の周囲に植木鉢を置く
- 新聞紙や段ボールなどを溜める
- 木材や廃材を日陰に置いておく
これらは、シロアリにとって「ウェルカム状態」をつくる要因。古民家の床下調査やリノベーション前のインスペクションでも、こうした兆候を見逃さないよう注意しています。
シロアリは自然界に生きる存在であり、本来は罪のない生き物です。とはいえ、人が住む住まいではしっかり対策を取ることが必要です。
家族の安全を守るためにも、年に一度は床下や基礎周辺のセルフチェックをおすすめします。
もし気になる兆候があれば、私たち古民家再生のプロにご相談ください。