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自社職人が建てる、安心の家づくり

家を建てるとき、「どんな会社に頼めば安心だろう」とお悩みの方も多いと思います。
耐震・断熱といった性能のこと、アフター保証のこと、メンテナンス体制のこと…各社とも、独自のサービスを提供して、差別化を図っているからこそ、正解がわからないものです。

一方で、「どんな人が自分たちの家を建ててくれるのだろう」と考えたことはあるでしょうか。
大手ハウスメーカーや地域の工務店など、さまざまな選択肢があるなかでも、多くの会社では、外注や下請けの職人さんが施工を行うことが一般的となっています。そのような場合では、標準仕様や各社の施工基準に沿って、外部の職人さんがお家づくりを行います。

岡山県倉敷市で130年以上家づくりを続けてきたなんば建築工房は、「人の住む家は、人の手で創る」をモットーに、自社職人による家づくりを行ってきました。職人もなんば建築工房の“顔”として、お施主様の家づくりをしています。「誰がどんな想いで家を建てているのか」が見えるからこそ、安心感があり、品質を高く保つことができます。

本記事では、当社がこだわる「自社職人による手仕事の家づくり」の魅力を、事例を交えてご紹介します。家づくりを通じて大切にしている想いを感じていただければ幸いです。

なんば建築工房 社員写真

自社職人だからこその安心感

なんば建築工房では、営業・設計・現場監督のほか、大工・土木・左官といった自社職人が在籍しており、お客様との打ち合わせから施工現場までをチーム一貫の体制で家づくりを行います。営業担当がお客様のご希望をしっかり受け止め、設計や監督が具体的なプランを組み立て、それを現場で実際に手掛ける大工・土木・左官の職人チームへ共有。さらに現場では職人からの提案を活かしながら家づくりを進めていきます。

営業・設計・工務スタッフによる打ち合わせの様子

職人サイドと設計・監督との密なコミュニケーションがあるため、現場から「この箇所はこうするともっと使いやすくなる」といった具体的な提案がスムーズに上がってくるのも、自社職人ならではの強み。社内全体が一つのチームとして動き、細部までこだわった住まいづくりを実現しています。

職人による打ち合わせの様子

伝統技術と手仕事が支える高品質

明治20年から続く当社は、日本の伝統技術を大切にしてきました。時代とともに家づくりの手法が変化し、工業製品や既製品が普及してきた一方で、当社では職人の技術を未来へ受け継ぐために大工や左官・土木などの手仕事を担う人材を自社で採用・育成しています。

当社が自社職人の採用・育成にこだわるのは、職人としての技だけでなく、棟梁のこころも学んでいくことで、お施主様に寄り添った温かい家づくりができると信じているからです。

普請と結(ふしん と ゆい)」という言葉をご存じでしょうか。
かつて家づくりは、地域が互いに協力し合って行う“公共事業”であり、棟梁は住まう人のことを考えて、一邸一邸、思いをこめて家づくりを行いました。この日本の住文化によって育まれた助け合いの精神こそ、日本人の大切にしたい文化であり、日本人の心ともいえるものです。

こうした姿勢は、日本の住文化や伝統を次の世代にも残す、という会社のビジョンにも表れています。古くから受け継がれた技術は、現代の暮らしに合わせてアレンジすることでさらに磨かれ、他社では真似ができない高品質な施工と丁寧な仕上がりを実現しています。

たとえ普段は見えないところだとしても、何年、何十年と過ごす家だからこそ、責任をもって自社の職人が創ることにこだわっています。

1986年 由加山蓮台寺にある「八角堂」の新築工事

手仕事の事例―伝統構法と遊び心

伝統構法「桔木(はねぎ)構法」

神社仏閣の建築にも用いられる桔木構法は、深い軒を屋根裏から“てこの原理”で支える技術。柱を極力減らし、開放的な空間を実現できます。こちらのお宅では、桔木構法を取り入れて広々としたオープンデッキを実現。大きな屋根をしっかり支えながら、視界を遮る柱がないため、リビングからお庭が広々と眺められるのがポイントです。

桔木構法を用いて、柱のない14mのオープンデッキを実現

造作の囲炉裏テーブル

お施主様たってのご希望で、囲炉裏テーブルを造作。設計図面にはなかったのですが、カリン材で蓋の留め具を作ってワンポイントを加えるアイデアが職人から提案され、実際に形になりました。

蓋を閉じればいつものテーブルとして使いつつ、開けば囲炉裏を囲んで団らんのひとときを楽しめる。まさに日本ならではの住文化を感じさせる仕上がりです。

職人造作の囲炉裏テーブル
カリン材で造られた留め具

※その他の写真は、施工事例のページよりご覧いただけます。


非効率でも手仕事にこだわる理由

現代の家づくりでは、既製品や工業製品を導入することで短工期かつ合理的に建てられるケースが増えています。それでも当社は、大工・土木・左官といった自社職人の手仕事にこだわっています。

日本の住文化を未来へ伝えるため

日本の家づくりには長い歴史があり、そこには日本人が積み重ねてきた豊かな知恵や技術があります。これを絶やすことなく次の世代に引き継ぐため、職人が手と心を使って技術を磨き続ける場を提供していきたいと考えています。

住まう人の暮らしをより豊かにするため

木の香りや質感、自然の光や風を活かした設計など、手仕事ならではの繊細なアプローチが住まいに温もりと個性をもたらします。唯一無二の家づくりが、ご家族の人生を豊かに彩ると考えています。

コミュニケーションによる柔軟な提案

現場を熟知する職人と常に情報交換ができる体制だからこそ、「こうすればさらに快適になる」といった発想が飛び交います。お客様の思いに寄り添いながら細かな修正や工夫を積み重ね、ともに納得いくかたちに仕上げます。


なんば建築工房がめざす未来

私たちのビジョンは、「日本の住文化を未来へ残す」ということ。
そこには、大きく3つの想いがあります。

1. 日本の伝統技術を絶やさない

大工・土木・左官などの職人技は、ただ家を建てるための技術ではありません。長年培われてきた知恵や美意識、そして先人たちの心意気が詰まった「文化」そのものです。私たちはこの文化を未来へつなぐ「架け橋」となるべく、社内で人材を採用・育成し、新しい世代の職人へと技を受け継いでいます。

2. 日本人が培ってきた住文化を今の暮らしに活かす

畳や囲炉裏、縁側などは、昔ながらの懐かしさだけでなく、実はとても合理的で人にやさしい文化を体現しています。たとえば囲炉裏は、火を囲みながら自然と会話が弾むコミュニケーションの場。縁側は、季節の移ろいを感じながら風通しを確保する知恵。これらを現代の生活様式に合わせてアレンジし、利便性を保ちつつも、心豊かな暮らしへとつなげたい。それが私たちの願いです。

3. おもてなしの心を忘れず、環境と地域を守る

昔の日本家屋には、床の間のある客間や庭を見渡せる座敷があり、訪れた人を自然の風景とともに楽しませる、「おもてなしの心」が建物のつくりそのものに息づいていました。私たちはこの精神を大切にし、家づくりでも“住まう人のことを本当に考えた提案と施工”を心がけています。

お客様の暮らし方や家族構成に応じた空間デザインや、「人の手で創る」あたたかな質感で、お住まいの皆様だけでなく、訪れる方も心地よく迎えられるよう工夫しています。大切なのは、建物だけではなく、人の心をあたたかく満たす設えを追求すること。そうした設えこそが、日本の住文化が昔から伝えてきた、本質的なおもてなしだと考えています。

効率や合理性を求めれば、職人の手仕事はどうしても「非効率」に見えがちです。
しかし、長い目で見たときに、日本の気候や風土を活かし、地域の文化を大切にしながら建てられた家には、人間らしい豊かさが宿ると私たちは信じています。だからこそ、「人の住む家は、人の手で創る」という理念を掲げ、今後も伝統の灯を絶やさず新しい形へと挑戦し続けます。


おわりに

家づくりは、その家族だけではなく、地域全体の暮らしや文化にも影響を与える大きな営みです。なんば建築工房が130年以上かけて積み重ねてきた知識や技術、そして地域の皆さまとのつながりは、語り尽くせない重みと価値があります。

顔の見える自社職人が生む、安心感と提案力
職人の手仕事による、あたたかい家づくり
伝統技術を次の世代に引き継ぎながら、「普請と結」の精神で地域に貢献し続ける姿勢
自然の恵みを活かし、岡山県ならではの気候風土を活かす住まいづくり

こうした要素が合わさることで、暮らすほどに愛着が深まり、家族や地域の未来をはぐくむ住空間が生まれるのです。

もし、「伝統や文化を大切にしながら、世界にひとつだけの家を建てたい」とお考えなら、ぜひなんば建築工房の家づくりをご検討ください。職人の手仕事による温かみ、そして日本の住文化を次世代へ継承したいという思いを、しっかりとカタチにいたします。

「人の住む家は、人の手で創る」
これからも私たちは、倉敷の地からその精神を貫き、より良い家づくり・街づくりに邁進してまいります。

なんば建築工房 ショールーム